―作品とは、《もう一つの場所》に我々を立たせるための装置であるー

もう一つの場所を想起させる作品群が私たちに示すこと、それは、あなたは、いま、まさにここにいるという体験です。現代社会において、身体感覚以外での今まさにここにいる実感を得ることは、ますます少なくなりつつあるのではないでしょうか。

そのような状況下での美術の必要性とは、―我々はどこにいるのか、ここはどこなのか―という問いに向かい合う機会を設けることにあると考えます。 本プロジェクトでは、現実の世界と二重になっているもうひとつの世界のありようを捉え、それが現代の美術ではどのような方法論によってかたちとなるのかを提示します。